コダチダリアについて

梶田忠 


(Regel, Gartenflora 12:243. 1863より)

小牧さんの努力で、今年ようやく5mに達したコダチダリア。原産地はメキシコ以南の中米からコロンビア、ボリビアにかけての地域で、標高1,200-3,800mの岩がちの急斜面や、草地、マツ・カシ混交林、針葉樹林などに生育する。茎が木質になる多年草で、高さ2-6m、茎の直径1.5-6cmになる(今年の小石川の株は最大のものが5.7cm)。葉は長さ50-90cmで、2回または3回羽状複葉。グアテマラのインディオであるKekchi族は、この葉を食用にする。学名はDahlia imperialis Roezl. ex Ortgiesで、1863年に発表された。種小名のimperialisは立ち姿が立派であることによるのだろう。右上の図は、発表論文で用いられたものである。小石川のものに比べると、頭花が白く、完全に開ききっていないように見える。英名はtree dahlia。茎が木質で背が高くなるダリア数種の総称である。メキシコでの呼称はAcocotli。ナワトル語で「管」や「パイプ」という意味で、茎が中空になることにちなむ。一説によると、コダチダリアの茎は竹筒のように、水を通すのに使われたらしい。また、マゲイ(リュウゼツランのこと。ニュースレター16号参照)から、蜜を抽出するのに使われたとも言われている。

コダチダリアの含まれるダリア属は約27種からなり、ほとんどがメキシコとグアテマラの高地に局所的に分布する。南米まで分布を広げているのは、コダチダリアともう一種のみである。ダリア属の野生種は、スペインによるメキシコ征服の後、17世紀にヨーロッパに紹介された。Dahlia(スウェーデンの植物学者Dahlに因む)という名前が発表されたのは1791年。その後ヨーロッパで盛んに栽培されるようになり、数多くの園芸品種が作り出された。園芸品種のもとになった野生種は、僅か4種であるという(コダチダリアは含まれていない)。20世紀半ば、原産国のメキシコで、ダリアは国花に指定されている。

コダチダリアはまれに9mに達することがあるという。がんばれ小牧さん!次なる目標は9m!

(かじたただし:小石川本園助手)